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タイトル別名
  • シャカイテキ ジコ コウリョクカン ノ ハッタツ
  • Development of Children's Social Self-efficacy

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幼児期から児童期にかけての仲間関係や社会性の発達に関心が向けられてきている。そこでは認知的な発達研究でとりあげられた概念が, 社会的行動を媒介する認知的概念として積極的に取り上げられてきた。例えば, Dodge(1986)ではリニアーな情報処理過程が, 中澤(1992)では社会的メタ認知が, Perry, Perry & Rasmussen(1986)では自己効力感(可能予期)と結果予期がそれぞれ社会的行動の媒介概念として取り上げられている。Bandura(1986)は自己効力感が様々な遂行の基礎にあることを実証してきた。社会的な場においても前述のPerryら(1986)は攻撃的な児童が攻撃的な行動をできるという自己効力感をもち, 攻撃行動は自己に得になる結果をもたらすという結果予期をもつことを報告している。しかし, 子どもが, 仲間との適応的な相互作用の中で求められる提案, 要求, 主張といった行動についてどの程度の自己効力感をもつのか, またそれは彼らの実際の適応的な対仲間行動を導くのかについては明らかではない。この事を検討する試みとして, 本研究ではWheeler & Ladd(1982)による社会的効力感をとりあげる。彼らは対人場面における有能感を社会的自己効力感と名付け, 児童(小学校3, 4, 5年生)を対象としたChildren's Self-Efficacy for Peer Interaction Scale(以下CSPIと略す)を関発した。CSPIは仲間との意見の対立のある葛藤状況と, そのような対立のない状況の二つの下位尺度に分けられる22項目から構成されている。彼らは因子分析によりこれらの2つの状況に関する因子を抽出し, 児童が対立のある状況とない状況における自分の社会的能力を区別して判断していることを示した。また, 教師と仲間による同様な測定尺度による評価と子ども自身のCSPIの

source:Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University. I, Pedagogy

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