いわゆる規則のパラドックスについて

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  • イワユル キソク ノ パラドックス ニ ツイテ
  • On the so-called rule-following considerations

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いわゆる「規則のパラドックス」とは、「規則の従う」ことについての懐疑的議論である。実在するはずの規則に対する、主体の把握可能性を疑っているのだから、問題は、次のような点にあると考えられるかもしれない。主体の内界とは独立に実在する規則に主体はいかにして到達できるのか。無限の正しい適用事例をもつ規則を、有限の主体はいかにして把握できるのか。本稿の目標は、クリプキの提出した「規則のパラドックス」がこのようなタイプの懐疑論ではないことを示すことにある。クリプキの規則遵守論に対し、数多くの応答が研究者たちから出されている現状において、あえて懐疑的議論の定式化にこだわる理由は、クリプキが強調した点、つまり「非・認識論的」論点が正しく把握されないまま議論が進んでいる場合が多々あると感じられたからである。本稿では、そのクリプキの規則遵守論に対する誤解の一例としてクリスピン・ライトの論文を検討する。

source:Studies on humanities and social sciences of Chiba University

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