カントと連続創造説

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  • カント ト レンゾク ソウゾウセツ
  • Kant and Continual Creation Theory

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近代以前のヨーロッパ思想史で起動的役割を演じたものの一つに連続創造説がある。一見珍説とみなされかねない説だが、デカルトをはじめ、多くの哲学者が本気で取り組んできた。近代に入ると姿を消したように思われながら、単純にそうとは言えないことをカントに即して探ってみようというのが本論文の趣旨である。まずカント哲学の中でも特に難解なアンチノミー論-そのうち、神(必然的存在者)を立てることの当否を扱った第四アンチノミー論-をもとに偶然性の問題を吟味し、それが連続創造説とどうかかわっているかを吟味する。ついで、第三アンチノミーと関係する自由の問題に迫り、「超越論的自由」の成り立つゆえんを考察しつつ、人間による行為の創造の問題に迫る。最後は美的創造、とりわけ絵画について、『判断力批判』に依拠ながら、なぜ人間は何かの像を「描く」ことができるのかを軸に芸術創造について考えていく。

source:Studies on Humanities and Social Sciences of Chiba University

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