在宅療養者を支える家族介護者の他者へのケアの委譲 : 家族介護者に関する質的研究のメタ統合から

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タイトル別名
  • ザイタク リョウヨウシャ オ ササエル カゾク カイゴシャ ノ タシャ エノ ケア ノ イジョウ : カゾク カイゴシャ ニ カンスル シツテキ ケンキュウ ノ メタ トウゴウ カラ
  • Conditions under Which Japanese Family Caregivers Would Entrust Their Responsibilities to Others : A Meta-Synthesis of Qualitative Studies on Family Caregivers

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本研究の目的は,領域を横断して家族介護者の体験が記述されている質的研究論文の知見をメタ統合することにより,家族介護者の他者へのケアの委譲の様相を構造化することである.1980~2006年の間に千葉大学大学院看護学研究科に提出された学位論文を対象として,選定基準を満たす在宅で暮らす疾病・障害・老いを有する者を介護する家族員を対象とした論文を選択し,Paterson (2001) ら,Noblit & Hare (1998) のメタ統合の手法を参考に分析を行った.地域看護学,訪問看護学,成人看護学,老人看護学,精神看護学の領域にわたる13論文を対象に分析した結果,以下が明らかとなった.家族介護者の他者へのケアの委譲にかかわる認識と行動として,(1)介護を抱え込む,(2)一人で介護をやってゆける,(3)拘束的思考から脱却する,(4)他者にケアを委譲する,の4つが見出された.また,家族介護者の他者へのケアの委譲にかかわる認識と行動への影響要因として,(1)委譲に向かわせる要因,(2)委譲を促進する要因,(3)委譲を減退させる要因,(4)家族介護者を後押しする他者の行動,の4つが見出された.これら4つの家族介護者の認識と行動および4つの影響要因を構成要素として,家族介護者の他者へのケアの委譲の様相が構造化された.本研究で得られた知見から,家族介護者の介護の抱え込みの状態と一人で介護をやってゆける状態の見極め,家族介護者の介護の抱え込みの状態を理解した上での働きかけの重要性,家族介護者を他者へのケアの委譲に導く働きかけのあり方,家族介護者が一人で介護をやってゆける状態の見守りの必要性の視点から,看護への示唆が考察

source:Journal of School of Nursing, Chiba University

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