イヤーピース色素稀釈法の有用性について : 若年境界型高血圧症の血行動態を対象として

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  • On the Usefulness of the Earpiece Dye-Dilution Method

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現在,心拍出量の測定法にはいろいろあるがそのうちでもイヤーピース色素稀釈法は簡便であり,患者に対する侵襲もなく,かつ外来でも容易に用いうるという利点を有している。しかしその信頼性にかんする検討は未だ不十分である。そこで現在最も信頼性があるとされているキューベット法と比較検討し,イヤーピース色素稀釈法の信頼性を確め,かつ,臨床応用として若年境界型高血圧症を対象に,運動・薬物負荷を行い,心拍出量およびその他の血行動態的反応性を若年正常血圧群と比較検討した。その結果,1)イヤーピース色素稀釈法とキューベット法の間には,安静時γ=0.92 (n=92, p<0.001),運動負荷時γ=0.80 (n=54, P<0.001),薬物負荷時γ=0.91 (n=79, P<0.001)と極めて良い相関が得られた。またイヤーピース色素稀釈法の再現性を5分間隔で行うと,γ=0.97 (n=394, P<0.001)とこれも極めて良い相関が得られた。2)このイヤーピース色素稀釈法を用いて若年境界型高血圧群と若年正常血圧群に臥位自転車エルゴメーターによる運動負荷を行い心係数の比較検討を行った結果,運動負荷前の心係数には両群に有意差をみなかったが,運動負荷中および後には,後者で心係数の著明な増加が認められた。交感神経β受容体刺激薬であるisoproterenolを両群に点滴静注すると,若年境界型高血圧群で心係数の増加が著しく,若年正常血圧群に比し,運動負荷時に,交感神経系の関与の著しいことが示唆された。

Among the different methods currently used to measure cardiac output (CO), the earpiece dyedilution method has some advantages, i. e. easiness in procedure, little invasion to the patients, and easy application to the test in the outpatient clinic. However, there seems remaining some doubt as to reliability of this method. Therefore, the prese

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