岐阜県の事業場におけるがん対策に関する実状の把握と推進に向けた取り組み

書誌事項

タイトル別名
  • Efforts to Understand and Promote the Actual Situation Regarding Cancer Measures at Workplace in Gifu Prefecture
  • ギフケン ノ ジギョウジョウ ニ オケル ガン タイサク ニ カンスル ジツジョウ ノ ハアク ト スイシン ニ ムケタ トリクミ

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抄録

本研究は、岐阜県内の事業場を対象に質問紙調査を行い、がん検診、がん治療と仕事の両立支援の実状と課題を把握し、把握した結果を素材に職場におけるがん対策の推進に向けた広報啓発すべき内容を検討し、事業場へのがんに関する知識普及・啓発のための媒体を作成することを目的とする。  従業員50 人以上の2000 事業場を対象に無記名自記式質問紙を郵送にて配布回収し、がん看護専門看護師と共同研究者が調査結果を素材とした意見交換を行う。これらの結果に基づき、がんに関する知識普及・啓発のためのリーフレットを作成する。  質問紙調査は514 事業場から回答があった(回収率25.7%)。52.4%の事業場が従業員を対象としたがん検診を行っており、困っていることは【低受診率】【長い検査時間・検査方法への抵抗感】【高額な費用】などであった。がんに罹患した従業員から仕事上の配慮に関する相談があった場合の対応(複数回答)としては、本人と話し合い希望に沿うことができるか検討している回答者が71.8%と最も多く、主治医の診断書や意見を確認している回答者は53.3%であった。両立支援の経験が「ある」回答者は23%、両立支援について困っていること・知りたいことは【仕事上の配慮】【事業場における両立支援の方法】などであった。  がん看護専門看護師との意見交換では、がん患者自身への教育支援が必要であるという意見とともに、病気や就労について話ができる社内の体制や風土を作ることの重要性について言及があった。結果を踏まえ、事業場対象と従業員対象の2 種類のリーフレットを作成した。  今後は、事業場のがん対策の推進のために作成したリーフレットを活用し広報啓発を継続する必要がある。さらに行政のサポート、医療機関における両立支援の促進、支援のための情報共有の方法の検討などの課題について、岐阜県の地域特性に適した方法で取り組むことが重要である。

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