ウマバエ属幼虫寄生馬の胃および十二指腸の病理学的所見

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タイトル別名
  • Pathological findings on stomach and duodenum of horse parasitic with Gasterophilus
  • ウマバエゾク ヨウチュウキイキウマ ノ イ オヨビ ジュウニシチョウ ノ ビョウリガクテキ ショケン

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説明

G. intestinalis幼虫の寄生する馬の前胃部,並びにG. nasalis幼虫寄生の幽門部・十二指腸起始部の病理学的所見の検討を行なったが,双方とも病変の基本は同じである. すなわち,虫体による鈎着・穿刺などの器械的作用および虫体から出すある種の成分によると思われる化学的作用で,潰瘍形成および炎性変化(組織変性・滲出・組織増殖)が起こり,更に虫体の成分ないし代謝産物による感作でアレルギー性を獲得し,それに基づく組織反応も認められる. 本症の病変は,一般的に牛の双口吸虫症などの場合と比較するとかなり著しい. なおG. intestinalisとG. nasalisの幼虫を比較すると,前者がひとまわり大きく,それに伴い器械的作用も一段強いと思われるが,生起する病変は前胃部よりも幽門部・十二指腸の方が顕著である. これは双方の粘膜の性状が異なることに基因するものであろう.

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