筑後地域における写し霊場の開設背景 : 三井四国八十八ヶ所を事例として

書誌事項

タイトル別名
  • チクゴ チイキ ニ オケル ウツシ レイジョウ ノ カイセツ ハイケイ : ミツイ シコク ハチジュウハチカショ オ ジレイ ト シテ
  • Background to Establishment of the Utsushi-Reijyo in the Chikugo Region : A Case of the Mii-Shikoku Eighty-Eight Sacred Places

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説明

四国八十八ヶ所や西国三十三所など多くの巡礼地があるなか,日本各地にそれらを写した「写し霊場」がある.九州からの四国八十八ヶ所巡礼者は多いとは言えないが,九州各地に写し霊場が見られる.多くの写し霊場は,四国八十八ヶ所に倣って札所番号と札所名を設定している.しかしながら筑後地域にある三井四国八十八ヶ所には,札所番号がなく,さらに札所名が四国八十八ヶ所のそれと一致しない.また札所数も142確認できる.そこで三井四国八十八ヶ所の開設背景を,聞き取り調査と現地調査,資料から検討した.その結果,三井四国八十八ヶ所はもとより存在していた大師信仰に基づき既存の祠やお堂を四国八十八ヶ所の札所に見立てたものであり,新規に札所を開設したものではないことが示唆される.またのちに当初札所ではなかった祠やお堂と,新たに開設されたそれらを札所として追加したため,札所数が88を大きく越えることとなり札所番号がなくなったことが推測できる.

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