ICUの面会制限における患者・家族の満足度に関する文献検討

書誌事項

タイトル別名
  • Literature Review on Satisfaction in Patients and Families Faced with Visiting Restrictions in ICUs
  • ICU ノ メンカイ セイゲン ニ オケル カンジャ ・ カゾク ノ マンゾクド ニ カンスル ブンケン ケントウ

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抄録

本研究の目的は、日本のICUで定められている面会制限に対する患者・家族の満足度を明らかにし、今後の改善点の示唆を得ることである。Web版医学中央雑誌、メディカルオンライン、J-STAGE、CiNiiのデータベースをもとに「ICU、面会制限」のキーワードで検索し、原著論文で本研究のテーマに合う12件を抽出した。これらの文献を分析した結果、面会制限の諸条件について、明示なく現状調査をしている研究が多くみられた。患者・家族は、面会制限があること自体には理解を示す傾向にあった。患者・家族の満足度が高い条件をまとめると、1度の面会時間の長さは5分から1時間までの間、時間帯は午後の夕刻まで、年齢制限は小さい子どもも可能にする、親族制限は身内にとどめる、が挙げられていた。ICU入室患者の面会制限については緩和傾向にあるが、諸条件に関する患者・家族の満足度の報告は少なかった。しかしICU患者家族における面会の重要性は、Leskeの開発したICU患者家族のニーズの尺度CCFNIを構成する5因子の1つ「近接性」に抽出され、さらに、辰巳らが開発したニーズ尺度を構成する3因子の1つ「面会における融通性に関するニーズ」にも示されている。このことから、面会は患者家族の代表的なニーズであると解釈できる。したがって、今後、患者・家族の満足度を高めるための面会制限の緩和を図っていくためには、面会制限の諸条件に対する患者・家族のニーズを調査することが求められる。

収録刊行物

  • 看護と口腔医療

    看護と口腔医療 3 (1), 105-111, 2020-02

    福岡看護大学看護学部 紀要委員会

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