生活保護受給就業者の就業構造に関する一考察

書誌事項

タイトル別名
  • A Consideration of Employment Structure of Welfare Recipients

抄録

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本稿の課題は,生活保護制度内部の就業者の就業構造の特徴を明らかにすることである。本稿から明らかになったことは以下の点である。第1 に,生活保護制度内の就業者数は1996年以降増加している。第2 に,就業者は,1985年以降,常用労働者を中心とした構成になっている。第3 に,常用労働者の内訳として,非正規雇用が約9 割を占め,中でも「パート・アルバイト」が圧倒的多数である。第4 に,その職業は,男女とも「技能工,生産工程及び労務作業者」,「保安職業,サービス職業従事者」,「販売従事者」に集中している。第5 に,就業者数の増加とほぼ同時期に,稼得増加を理由とした保護廃止件数も増加したが,特に近年では廃止後1 カ月という短い期間で再び生活保護再受給に至る,すなわち被保護層へ転落する世帯が多いことである。残された課題は,被保護下の就業者が,一般労働市場の中でどのように位置づくか明らかにすることである。

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