「東アジア知識共同体」の思想と創造 : 白永瑞と「朝鮮半島」の意義について

書誌事項

タイトル別名
  • Concept and practice of East Asian Intellectual Community
  • 「 ヒガシアジア チシキ キョウドウタイ 」 ノ シソウ ト ソウゾウ : ハクエイズイ ト 「 チョウセン ハントウ 」 ノ イギ ニ ツイテ

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説明

本文は、韓国人学者白永瑞を手がかりに、「東アジア知的共同体」の理念と構築過程を考察してきた。日中知識共同体の話題に触れる時、溝口は、これがアジアの思想資源であり、欧米に対して自分を主張する原理にも成りうると考えた。これは、過度に複雑化した現実と歴史を読み取る過程であり、また、この地域の知識人が自覚的に共同参与しなければ、未知なる世界を切り開くことができない。ただ、この難しい課題は、私たちの心に知識創造の原動力を与えてくれる。韓国人学者である白永瑞及び「朝鮮半島の視点」は、溝口と孫歌と日中知識共同体の精神を発展させ、東アジア平和共同体を探究する貴重な実践である。 白永瑞の「朝鮮半島の視点」と白永瑞現象は、閉鎖された思想界に清らかな風を送り、それまでの東アジアが直面した諸問題を前に有効な解決策もなく、死が訪れたように動かない研究や思想に投じられた大きな一石であり、また分岐点に直面する東アジア研究に新しい道標を示し、東アジア史の解読に苦しむ学術界に、参考となる思考、視点と学術資源を提供したものである。

収録刊行物

  • 法学新報

    法学新報 123 (7), 155-179, 2017-01-16

    法学新報編集委員会

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