住居型有料老人ホームに入居する透析患者に対する栄養指導経験―施設管理者への介入によって体重コントロールが好転した一例―

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  • A trial of nutritional guidance for a dialysis patient residing in nursing homes\n- A case study of weight control improved by intervention for a facility manager -

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抄録

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【患者】55歳男性。既往歴に双極性感情障害、脳出血による右半身麻痺。住居型有料老人ホームに入居中。【現病歴】平成26年5月より血液透析開始。入居後より、施設が提供する食事の全量摂取に加え、月1回、2,000円分の菓子類購入と1,000円分の飲料購入を施設職員へ依頼していた。患者は、自覚する空腹感から水道水の摂取を無制限に繰り返しており、透析全59回のうち16回(27.1%)で透析間体重増加率が6%を超えており、臨時の限外濾過を1回必要とした。【栄養指導】患者本人へは対面にて月1回、施設職員へは電話にて定期的に、栄養指導介入を行い、間食の取り方や水分摂取の制限(700ml/day)につき指導した。その後、患者の空腹感が緩和されたことから水道水の自由摂取量が減少し、介入後は、透析間体重増加率が6%を超えたのは55回の透析のうち10回(18.2%)に減少した。【結論】本症例では、患者への個別栄養指導に限らず、施設管理者にも栄養指導介入を行ったことにより良好な体重コントロールを得ることが可能となり、患者の生活歴の把握と施設間連携の重要性を改めて認識することができた。

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