看護管理者の勤務中における陰性感情体験

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タイトル別名
  • Negative emotional experience during work of a nurse manager

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抄録

type:Article

〔目的〕看護管理者の勤務中における陰性感情体験に対する思考と対処、および心理的反応を明らかにし、 感情管理に関する課題を検討した。 〔方法〕2016年 8 月~ 9 月に看護管理者(看護師長)11名を対象に半構成的面接を行った。 〔結果〕全員女性で40歳代が最も多く、看護師経験平均年数は24. 5 年、看護管理者経験平均年数は 5 . 4 年、 インタビューの平均時間は45分であった。陰性感情体験後の思考には【管理者として感じる責任】【感情表 現に関する困惑】【職場で感情を出すことは不適切】の 3 カテゴリが抽出された。課題解決に向けた積極的 な対処として【何が問題なのか相手に伝える】【問題の原因を追究する】や、陰性感情を静める対処として【信 頼のおける他者に話す】【怒りを文字にして表現する】などのカテゴリが抽出される一方で【身動きが取れ ず成す術がない】【感情を自分の中に押し込める】【問題から目をそらす】【思わず衝動的に反応する】といっ た不適切な対処も多くみられた。心理的反応では【他者に対する非難が沸き起こる】【自責の念に駆られる】 といった抑うつ症状などの病的状態に移行する危険性がある反応がみられた。 〔考察〕今回の結果から、看護管理者の感情コントロールに関する課題として、①感情に対する誤解、② 感情の不適切な処理、③感情を適切に表現するスキルの不足の 3 つの課題が明確化されたことにより、情 動性知能を高める教育プログラム開発の必要性が示唆された。

identifier:http://repository.fukujo.ac.jp/dspace/handle/11470/953

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