中学校数学科「数と式」領域における中学校第1-2学年の生徒の分数を含む方程式の習熟度の分析

書誌事項

タイトル別名
  • チュウガッコウ スウガクカ 「カズ ト シキ」 リョウイキ ニオケル チュウガッコウ ダイ 1-2ガクネン ノ セイト ノ ブンスウ オ フクム ホウテイシキ ノ シュウジュクド ノ ブンセキ
  • Analysis of Grade 7 and 8 Students' Performances and Errors on Equations with Fractions in the Area of `Number and Number Sentences' for Japanese Junior High School Mathematics Education

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説明

本稿では小中接続における分数学習の課題に注目する.その目的は,「数と式」における主に分数を用いて表される一元一次方程式,連立二元一次方程式の問題に対して,中学校第1-2学年の生徒がどのような習熟度で躓きを有しているかを明らかにすることである. 神奈川県横浜市の公立校中学校第1学年182名,第2学年171名の計353名の生徒を対象にして,筆記試験による調査を実施した.問題内容は主に分数を含む一元一次方程式で,第1学年は10問,第2学年は12問で,そのうち共通問題が10問であった.第2学年の追加2問は一元一次方程式の文章問題の類題である連立二元一次方程式であった.分析は混合分析法を採用した.本研究の結論として(1)四則計算,一元一次方程式,文章問題と順に生徒にとって難易度が上がること,(2)文章問題においては低位群の生徒にとっては非常に難しいこと,また,全般的に文意から文字式を作り,方程式を立てることが難しく,計算における課題を同定するまでには至らなかったこと,(3)通分,既約分数といった小学校算数科で学習した分数の計算が完全には定着していないこと,(4)計算問題と文章問題の関係性もあること,といった諸点が明らかになった.

収録刊行物

  • 科学/人間

    科学/人間 51 001-031, 2022-03

    関東学院大学理工学部建築・環境学部教養学会

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