葉や土壌に付着した桜島の降灰が栽培作物の生育に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of the Ash Fall on Leaves and Soil by Sakurajima Volcano on Cultivating Crops Growth
  • ハ ヤ ドジョウ ニ フチャク シタ サクラジマ ノ コウカイ ガ サイバイ サクモツ ノ セイイク ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

桜島は鹿児島湾内の火山であるが,近年噴火回数が激増しており降灰が農作物に生育・収量にもたらす被害の作用機作を分析することは被害軽減のため重要である.そこで夏作物の5 作物を選び,降灰処理を行い,火山灰が作物の生育にどのような影響を及ぼすかを調査した.供試作物として,ダイズ(Glycin max Merr.cv. 福の豆),トウモロコシ(Zea mays L. cv. ランチャー82), ナス(Solanum melngena L.cv. 黒陽), ピーマン(Capsicumannuum L.cv. 京鈴), トマト(Solanum lycopersicum L.cv. レッドオーレ)を用い,栽培実験を鹿児島大学農学部圃場内のガラスハウス室内で行った.処理区として,土壌のみに灰を散布した土壌表面散布区(土壌散布区),植物体全体に灰を散布した植物表面散布区を設けた.その結果,処理開始後の草丈または主茎長の推移に統計的な差は見られなかった.しかし収穫時の乾物重は,処理による影響により減少傾向が見られた.灰の付着について葉を観察したところ,全ての作物において灰は葉脈に沿って付着していた.特に葉に発生する葉毛の有無や葉の形態によって灰の付着の仕方に差が見られた.これらのことから,葉毛や星状毛などがある葉が灰の付着により表面が覆われ気孔が塞がれることにより光合成が阻害され,同化産物生産への影響が生じている可能性が考えられた.

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