最近10年間の新潟大学医歯学総合病院矯正歯科における歯数異常症例の臨床統計調査

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  • Clinical survey of patients with abnormality of the number of teeth at Orthodontic Department, Niigata University Medical and Dental Hospital in recent 10 years

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今回,最近10年間に新潟大学医歯学総合病院矯正歯科(以下,当院矯正歯科)に来院した患者の先天性欠如歯および過剰歯について調査を行った。対象は,2006年1月から2015年12月までの10年間における当院矯正歯科の新規登録患者のうち,顎変形症および口唇裂・口蓋裂症例を除外した一般矯正患者1,571名(男性585名,女性986名)とした。これらの症例について,治療のために採得した資料(診療録,エックス線写真,研究用模型)を用いて,調査・分析を行った。その結果,先天性欠如歯の発現率は12.5%で,女性が男性の約1.1倍であった。これに対し,過剰歯の発現率は3.4%であり,男性の発現頻度が女性の約2.5倍であった。先天性欠如を歯数別でみると,1歯発現が46.1%,2歯32.3%,3歯6.2%,4歯3.1%,5歯2.6%,6歯以上が9.7%,過剰歯では,1歯発現が85.2%,2歯14.8%であった。発現部位について先天性欠如歯では,下顎第二小臼歯25.8%,下顎側切歯15.9%,上顎側切歯11.4%,上顎第二小臼歯11.2%,上顎第一小臼歯6.9%の順であった。過剰歯では上顎前歯が88.7%と大多数を占めた。これらの結果は,過去の報告と類似していたが,6歯以上の先天性部分(性)無歯症患者については過去の文献と比較し増加傾向を示し,矯正歯科治療の保険適応が影響していると推察された。

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