FPGAによるハイパフォーマンスカスタムコンピューティング（ストリーム計算高位合成コンパイラの開発と浮動小数点演算器搭載FPGAの性能評価／高位合成による3次元ステンシル計算のFPGA実装とその最適化／高位合成によるFPGAデザインとその可能性）

情報処理学会

説明

近年，マルチコア CPU と比べて高い性能電力比を実現する有望な手段として，データセンター応用を中心に FPGA が注目を集めている．また，一部の最新 FPGA は多数の浮動小数点 DSP ブロックにより GPU に匹敵する数値計算性能を獲得しつつあり，高性能計算分野においても大きな関心が寄せられている．しかしながら，FPGA を用いた高性能計算に関する研究は行なわれているものの，ハードウェアの設計と実装は依然として困難で時間のかかる作業であることに加え，FPGA を様々な計算問題に応用する際の実際の方法や課題が十分に共有されていないのが実状である．この様な状況の下，ハードウェア記述言語 (HDL) による従来の実装方法よりも高い生産性を目指して，ソフトウェアプログラムのような高い抽象度で記述した計算コードから回路を生成する高位合成 (HLS) コンパイラが研究開発されており，近年では幾つかの数値計算向け商用コンパイラが利用可能となっている．本 OS では，FPGA の数値計算性能を従来よりも少ない労力で引き出すための HLS コンパイラの開発事例や，商用の HLS コンパイラを用いたアプリケーションの実装事例，および，FPGA の持つ計算性能や消費電力に関する研究成果等の講演を行い，FPGA による高性能計算の最前線について研究討論を行う場を提供することを目的とする．

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