資源要求のある待ち行列網のモデル化の一提案

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  • A Queueing Network Model with Resource Requirements

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抄録

計算機の性能評価手法のひとつに待ち行列網による解析的手法がある。これは対象とする計算機のCPUやI/O装置などの構成要素を、待ち行列網でモデル化し、装置のビジー率、滞留ジョブ数、応答時間などを解析するものである。一方、計算機の処理には、ファイルのデータ項目の更新のように、ひとつのジョブがそれをアクセスしている間は、他のジョブからのアクセスを禁止するケースが多く存在する。この様な対象をここでは共有資源、または単に資源と呼ぶ。この資源へのアクセスの競合は、計算機の性能に大きな影響を与える。しかし従来の待ち行列網では、この資源を厳密に扱うことが出来なかった。そこで本発表では待ち行列網に資源の概念を付加し、マルコフ連鎖にもとづく状態方程式を厳密に解くことにより、資源の計算機性能に及ぼす影響を解析した。待ち行列網としては、計算機の性能評価に広く用いられている閉のセントラルサーバモデル(Central Server Model:CSMと略す)を取り上げる。これは単一のCPUと複数のI/Oの装置から成り、CPUでの処理を中断されたジョブは次にI/Oの装置の何れかに入って処理を受け、その後さらにCPUでの処理を受けるという、計算機内部での基本的な動作をモデル化したものである。

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