カルマンフィルタによる三次元高解像度粒子追跡

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  • 3-D Particle Tracking with High Spatial Resolution Using Kalman Filter

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抄録

流れの中に投入したトレーサ粒子をステレオグラフ法により三次元的に追跡し,多点の流速を求める三次元画像処理流速計測法(3-D PIV)は流本工学において新しい知見を得るために欠かせないものとなりつつある。従来の熱線流速計やレーザードップラ流速計は測定が局所的であるだけでなく,測定器の設置や校正の面などの制約が多い。一方,PIVはこのような制約が少なく,特に瞬時の流れ場全体を計測できることでその優位性は際だっている。しかし,粒子の速度三成分を算出するためには複数のカメラから得られた粒子情報を互いに他の画像と対応付ける必要があり,画像誤差などによって発生する流速の過誤ベクトルの発生は高解像度の速度場情報を得ることへの大きな障害になっている。著者らはある時刻だけで対応付けを行って速度三成分を求めるのではなく,カルマンフィルタを導入して粒子の軌跡を予測しながら複数時刻の流速を求める方法を開発し,ノイズが無視できない状況でもPIVによる高精度計測を可能にした。しかし,流れ場内の空間粒子密度が高い場合における手法の有効性は確かめられていなかった。そこで本報告では,カルマンフィルタ型PIVを多時刻の粒子追跡を行うことにより過誤ベクトルを低減できること,その結果高い空間解像度が得られることを数値シミュレーションによる定量的精度評価を行って確かめた。

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