電波不感地帯における生態系モニタリング利用に向けたLoRaWANの性能調査とドローン活用
説明
IoT やセンサー技術の高度化にともない,野生生態系を様々な側面からみえる化し,生態系サービスを定量化することで,経済的 ・ 学術的価値を向上させることへの期待が高まっている.現在,北海道大学が中心となり,鮭に装着したロガーで河川遡上行動をセンシングし,そのデータを陸上の中継局を介してクラウドに集約する技術開発を行っているが,我々の研究グループは,同プロジェクトにおいて中継局をどの地点に設置するべきを電波伝搬の側面から検討している.対象とする河川域はその大半が LTE の不感地帯であり,河岸付近の各中継局からの LTE データ送信は不可能である.そのため,LTE 通信可能地域までの数 km 以上の距離を適切な通信方式で送信することが求められる.加えて河川域では安定電源供給が期待できないため,電池駆動が可能な省電力通信も求められる.これに対し,本研究では省電力で長距離通信が可能な LoRa を利用し,特に上流付近まで遡上した鮭の産卵行動などの貴重なセンシングデータの集約をマルチホップ通信で実現するための通信特性の基礎調査を実施したため,それについて報告する.森林 ・ 河川域においては,樹木や地形的起伏が電波伝搬に大きな影響を与えるため,見通し条件がよい場合とは特性が大きく異なる.そういった森林環境において LoRa の測定実験を行った結果,最大で約 1.8 km の通信が可能であったことを確認している.また,通信特性調査を対象河川域で行うことは大きな労力を要するため,LoRa を搭載したドローンを用いたリンク測定実験の実現に向けた基礎実験を実施したため,それについて述べる.
収録刊行物
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- 第26回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
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第26回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集 1-7, 2018-10-31
情報処理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050011097135739008
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- NII論文ID
- 170000178420
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles