PC操作性向上のためのWebカメラを用いた顔の動き識別手法の提案
説明
PC の多機能化により,イラストや動画などの UGC (User Generated Contents) の創作や共有が容易になった.それにともない,娯楽やビジネスなどの一環で,一般ユーザが PC を用いてさまざまな UGC を創作している.しかし,多機能化する PC の機能を一般ユーザが十分に活用し,創作作業における PC の操作の負担を軽減するためには,PC の操作性を向上させることが重要である.既存の PC 操作性向上の方法として,ショートカットキーや音声情報を用いた方法などがある.しかし既存の PC の操作性向上の方法では,「PC 操作に対応する入力動作」 や 「PC の操作内容に対応する入力動作の記憶」 に対する負担が十分に考慮されていない.そこで本研究では,これらの負担を軽減するために,顔の動きに着目した.人は普段の何気ないコミュニケーションにおいて,顔の動きをノン ・ バーバル ・ コミュニケーションとして用いるため,顔の動きは自然な動作である.自然な動作を PC の入力に用いることで,「PC 操作に対応する入力動作」 や 「PC の操作内容に対応する入力動作の記憶」に対する負担が軽減できると考える.本研究では,PC 操作性向上のための,Web カメラを用いた顔の動き識別手法を提案する.本手法では,Web カメラから収集する顔の動き画像から特徴を抽出し,抽出した特徴を用いて識別器を作成する.その後,作成した識別器を利用し,PC 操作と関連付けられた顔の動きを識別することで PC を操作する.本稿では,顔の動き画像から顔の動きを識別するために有効な特徴量やアルゴリズムを検討した.実験の結果,顔の特徴点の中心から顔の各特徴点までの距離が,顔の動きを識別する際に有効な特徴量であることが示された.実環境を想定した実験として,瞬間的な顔の動きを学習データ ・ 評価データとして用いた場合,識別精度は F 値が 0.836 となったが,同じ識別器を利用して一定時間固定した顔の動きを評価データとして用いた場合,F 値は 0.52 であった.今後の課題として,瞬間的な顔の動きと,一定時間固定した顔の動きどちらにも利用可能な特徴の検討を行う必要がある.
収録刊行物
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- 第26回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
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第26回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集 59-67, 2018-10-31
情報処理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050011097152954112
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- NII論文ID
- 170000178428
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles