多次元時系列の大域的相関分析法

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タイトル別名
  • A global correlation analysis of multidimensional time series

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説明

多次元時系列の解析において,観測される複数の時系列(以下では時系列束と呼ぶ)の相関関係を定量的に評価することは重要である.しかし従来の相関分析法で用いられる自己および相互相関関数は時系列中の2点間の相関値に基づくものであり,多次元時系列全体の特徴を捉えるのに必ずしも有用ではない.そこで本報告では,時系列束の大域的な特徴を捉えるための新しい相関分析手法を提案する.まず,二つの時系列間の大域的な相関の強さの指標としてライン相関係数を定義する.また,時系列時系列束におけるあらゆる二つの時系列の組み合わせに対するライン相関係数の算術平均を時系列束の結合度と定義する.結合度の逆数は時系列束の中に含まれる等価的に無相関な時系列の数と考えることができることから,結合度の逆数を時系列束の自由度と定義する.また,この自由度が吉川らの提案する確率過程の自由度の自然な拡張になっていることも示す.最後に,実際の気象データからこれらの特徴量を推定し,本手法の有効性を検証する.

収録刊行物

  • 全国大会講演論文集

    全国大会講演論文集 第49回 (基礎理論及び基礎技術), 117-118, 1994-09-20

    情報処理学会

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