p3cache:ネットブート型シンクライアント端末群を対象としたP2P型OSキャッシュ共有機構
抄録
ネットブート型シンクライアントは,各端末の計算資源を有効活用しつつ,導入から運用までの総合コスト(TCO)を削減できるソリューションとして,企業や教育機関,施設等の大規模 PC 環境で広く採用されている.一方,各端末のディスクイメージをサーバに集約して起動時にネットワーク配信するため,サーバやその経路ネットワークへの負荷集中が課題となる.サーバ冗長化や端末のローカルディスクへのキャッシュなどの既存対処手法では,新たな設備の導入を要するため,TCO 削減との両立が難しい.本研究では,端末上で起動した OS が持つキャッシュに着目し,各端末のメモリ上にキャッシュされているディスクデータ片を必要とする近隣の他端末へ配信することで,サーバに対する負荷の削減を目指す.さらに,各端末の動作状況に応じて変化する OS キャッシュの効率的な分散管理を実現するために,ネットブートのディスクデータ要求毎に P2P 型のキャッシュ探索を行い最適なデータ保有端末を特定する機構を実現する.本稿では,Linux カーネルのページキャッシュ機構を対象として,P2P 型キャッシュ管理とディスクイメージ・サーバ機能を実現した p3cache の実装について述べる.また,複数台のシンクライアント端末群を用いた実験評価についても示す.
収録刊行物
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- コンピュータシステム・シンポジウム論文集
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コンピュータシステム・シンポジウム論文集 2019 15-22, 2019-12-03
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050011097169505536
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- NII論文ID
- 170000180884
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1001/00200786/
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles