被災情報の収集を目的としたDTNにおけるメッセージ到達率の向上と冗長送信数の削減を実現する自律的中継手法の提案
抄録
地震等の大規模災害の発生時は,被害を最小限に抑えるために迅速かつ的確な災害支援活動が不可欠であるが,そのためには正確な被災情報もまた迅速に収集・把握する必要がある.しかし,災害発生前から設置する常設の通信インフラは災害発生に伴う被害の状況によっては利用できないことがある.そこで,被災時における情報伝達手段としてユーザの持つスマートデバイスを利用する DTN(Delay Tolerant Network) が新たな被災時の通信インフラとして注目されている.本稿では,近年普及の進んだスマートフォンに搭載される自律通信機能を用いた DTN を構築することで,我々がこれまでに検討を行ってきた避難所間無線ネットワークの基地局にメッセージを効果的に集約する手法を提案する.具体的には,指定避難所の地理的配置は災害発生前から既知であること,ならびに,スマートフォンに搭載されている GPS(Global Positioning System) 機能を用いれば,ユーザの所在地もリアルタイムに把握できることをふまえ,これらの位置情報を用いてメッセージの中継の実施の有無を自律的に判断する手法を導入することで,1) メッセージ伝達の成否に寄与しない無駄な送受信を削減しながら,2) ユーザデバイスのメッセージバッファが制限されるような状況下においてもメッセージ到達率を向上できること,ならびに,3) 特定のルーティングプロトコルに依存せず,DTN の性能を向上できることの 3 点について明らかにする.
収録刊行物
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- マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
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マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集 2014 (5), 269-278, 2014-12-01
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050011097173157760
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- NII論文ID
- 170000121339
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1001/00136838/
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles