抵抗函数の性質について

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  • On Some Properties of Resistance Functions

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抄録

たくさんの学者が、いままでに凸函数について相当な研究をしてきている。凹函数については、しかし、いままであまり研究されていない。これは、一つには、おなじ理論が凸函数についても、凹函数についても適用できるからである。なぜなら、f(x)を凸函数とすれば、-f(x)は凹函数となるからである。凹函数の研究があまりされていないもう一つの理由は、凹函数の応用性があまり発見されていないという点にある。1956年に、C.E.SHANNONとD.W.HAGELBARGERが、ある種の抵抗函数は、直流回路網において、凹函数であるということを証明した。この論文は、この定理が、任意の線型集中定数回路網に適用できるということを証明しようとするものである。ほかに、任意の線型集中定数回路網、線型分布定数回路網又は電磁理論における抵抗函数の性質についての定理をいくつか発表し、証明してある。この諭文中であたらしく証明された定理の中には、次のようなものがある。定理1 Nがインピーダンスと起電力の線型回路網で負抵抗を含んでいないとき、またはそのような回路網の一部であるときは、Nの各校の電流はf=Σ^^m__<j=1>R_jI_J^2-2Σ^^m__<j=1>E_jI_jが最小となるように分布する。系1-1  Nが起電力も負抵抗もふくまない線型のインピーダンス回路網であるときは、Nの各枝の電流は、Nによって消費される全電力が最小となるように分布する。定理2 Nが負コンダクタンスを含まないアドミッタンスと電流源の線型回路網であるとき、またはそのような回路網の一部であるときは、N各節点のポテンシャルは、 F=Σ^^m__<j=1>Σ^^m__<k=1>[g_<jk>(v_j-v_k)^2i_<jk>(v_j-v_k)]が最小となるように分布する。系2-1 Nが電流源や負コンダクタンスを含またい線型のアドミッタンス回路網であるとき、または、このような回路網の一部であるときは、Nの各節点のポテンシャルは、Nに消費される全電力が最小となるように分布する。定理3 二点A,Bが線型回路網によって連結されているときは、この回路網中の一抵抗がその抵抗値を減少することによってA,B間の抵抗値が増大することはない。系3-1 任意の二端子抵抗回路網において、任意のスウィッチを入れるとき、端子間の抵抗が増大することはない。系3-2 任意の四端子抵抗回路網において、任意の抵抗の抵抗値の減少によって回路の入力または出力抵抗が増加することはない。定理4 Nが非負抵抗R_l,R_2,R_3,・・・,R_nの二端子線型回路網で、RがNの両端子間の抵抗であるときは、RはR_l,R_2,R_3, ・・・,R_nの凹函数である。定理6  Nが非負抵抗の多端子平衝線型回路網であるとき、Nの入力抵抗はN中に含まれている抵抗の凹函数である。定理7 任意の媒質中を伝播している電磁波の入力コンダクタンスは(a) その媒質の固有インピーダンスが実で波が受けるアドミッタンスが実で旦領域内のあらゆるG,G′についてGG′≦4であれば、波が遭遇するコンダクタンスの凹函数であり(b) その媒質の固有インピーダンスが実で波が遭遇するアドミッタンスが実で旦領域内のあらゆるG,G′についてGG′≧4であれば、波が遭遇するアドミッタンスの凸函数である。全部で2つの補助定理、8つの定理、9つの系が証明されている。

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