重度障害児に出現するハンドリガードの発達的意味 : ハンドリガードとその後の行動変化の関連性について

書誌事項

タイトル別名
  • Development Significance ofHand Regardon Children with Severe Mental Retardation : the Relationship BetweenHand Regardand Behavioral Changes after Appearance ofHand Regard
  • ジュウド ショウガイジ ニ シュツゲン スル ハンドリガード ノ ハッタツテキ イミ ハンドリガード ト ソノゴ ノ コウドウ ヘンカ ノ カンレンセイ ニ ツイテ

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説明

本研究ではハンドリガード(手の注視)が出現した事例について、本児が通う学校での指導と関連づけてハンドリガード出現前後の行動を追跡し、重度障害児のハンドリガードの発達的意味について考察した。本児に対して筆者は自他の手の同型性意識を換気させて手振りの交替やりとり遊びを指導したところ、やりとり遊びが可能になってしばらくして感覚運動遊びの場面でやや不自由な右手側ハンドリガードが出現した。その後短期間で利き手(右手)が定まるとともに、手伸ばしと把握が分化し社会的協約性のある「ちょうだい」の身振り動作が出現した。「ハンドリガードは内受容感覚と外受容感覚の接合であり身体図式に手を取り入れる始動点である。」とする Merlaeau-Ponty の指摘を本事例は支持し、また重度障害児においてもハンドリガードが出現する原理は乳児と同様であり、その後の行動に影響することを示唆している。

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