(ランダム)力学系におけるLyapunov非正則集合の観測可能性 (ランダム力学系および多価写像力学系理論の総合的研究)

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Abstract

Lyapunov指数はカオス性の指標として自然科学で広く用いられているが,その存在についてはほとんど議論されていない.木稿の前半では,Lyapunov非正則集合と呼ばれるLyapunov指数が存在しないような点全体の集合が,Lebesgue測度正となるかという問題を考える.我々は,Colli-Vargas[5]で導入された頑強なホモクリニック接触を持つ曲面上の微分同相写像を含む,様々な既知の非双曲力学系が,Lebesgue測度正のLyapunov非正則集合を持つことを報告する.一方後半で,物理ノイズ下ではLyapunov非正則集合がつねにLebesgue測度0となることを報告する.合わせて,Guarino-Guihéneuf-Santiago[11]の8の字アトラクターについてはある種の非物理的なノイズに対してもLyapunov非正則集合がLebesgue測度正から0へと変わることを報告する.

Journal

  • RIMS Kokyuroku

    RIMS Kokyuroku 2217 144-152, 2022-04

    京都大学数理解析研究所

Details 詳細情報について

  • CRID
    1050011384892121600
  • NII Book ID
    AN00061013
  • HANDLE
    2433/275519
  • ISSN
    18802818
  • Text Lang
    ja
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Data Source
    • IRDB

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