脂肪酸組成と脂肪含量の違いが和牛肉の嗜好性に及ぼす影響

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  • シボウサン ソセイ ト シボウ ガンリョウ ノ チガイ ガ ワギュウニク ノ シコウセイ ニ オヨボス エイキョウ

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和牛肉の一価不飽和脂肪酸(MUFA)割合および脂肪含量の違いが消費者の嗜好性に及ぼす影響を調べるため、嗜好型官能評価を行った。まず、MUFA割合の異なる黒毛和種去勢牛の胸最長筋2点(高MUFA:60.9%、低MUFA:57.6%)について、訓練されていないパネル(48名)を用いて、嗜好性4項目(香り、食感、味、全体の好ましさ)および官能特性4項目(後味の強さ、脂肪味の強さ、かみ切りやすさ、ジューシーさ)の二点比較による官能評価を行った(実験1)。「脂肪味の強さ」では高MUFAを、「味の好ましさ」では低MUFAを選択した人数が多かった(P<0.05)が、「全体の好ましさ」にはサンプルによる有意な差は認められなかった。次に、MUFA割合の高低(高M:60%以上、低M:58%以下)と、脂肪含量の高低(高F:BMS No.7以上、低F:BMS No.4以下)の組合せが異なる黒毛和種去勢牛の胸最長筋4点について、訓練されていないパネル(44名)を用いて、嗜好性4項目(香り、食感、味、全体の好ましさ)の評点法による官能評価を行った(実験2)。「食感の好ましさ」の評点は、高M高Fが低M低Fおよび高M低Fと比べて有意(p<0.05)に高かった。また、MUFA割合の高低で区分した場合、いずれの評価項目においても有意な差はみられなかったが、脂肪含量の高低で区分した場合には、「食感の好ましさ」(P<0.01)および「全体の好ましさ」(p<0.05)は、高Fの方が低Fよりも高い評点を示した。以上の結果から、和牛肉の嗜好性に対しては、MUFA割合の高低よりも脂肪含量の高低の方が大きく影響すること、また、低脂肪よりも高脂肪の方が嗜好性が高くなることが確認された。

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