冬季の電照処理によるチャ苗の生育促進

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タイトル別名
  • Growth promotion by altering lighting conditions of tea nursery stock in winter
  • トウキ ノ デンショウショリ ニ ヨル チャ ナエ ノ セイイク ソクシン

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抄録

チャの品種育成期間の短縮を目的とした育苗期の生育促進を図るため,冬季の加温ハウス(最低温度18℃)で電照処理の時間帯別効果について検討した。あわせて,電照処理したチャ苗の定植後の生育について調査した。早晩性の異なる「さえみどり」(早生),「やぶきた」(中生)および「おくみどり」(晩生)の3品種を供試した。試験区として,日の出前(日の出前3時間の電照),日没後(日没後3時間の電照),日の出前+日没後(日の出前3時間+日没後3時間の電照),暗期中断(22:30~1:30の3時間電照),無処理(自然日長)を設けた。電照処理の光源として白熱電球を用い,処理は2017年10月23日に開始し2018年3月31日に終了した。3品種いずれにおいても電照処理することにより,無処理区に比べ総新梢長,葉数および節間長のいずれかが増加した。ただし,電照処理時間帯別の生育促進効果には,品種間差が認められた。これら4つの電照処理方法の中で,総新梢長と節間長が3品種全てにおいて無処理区と有意差があり電照効果が高かったのは,日の出前処理と暗期中断処理であった。育苗期に電照処理した苗のT/R比は2.85~3.57と木本類の適正値となった。定植2か月後も無処理の苗と比べて,総枝数および葉数は多く,総枝長は長くなり生育良好であった。

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