懸濁結晶法による凍結濃縮装置の検証 : 凍結濃縮又は加熱濃縮されたカンキツ果汁の成分組成と官能特性

書誌事項

タイトル別名
  • Verification of a freeze concentration apparatus for suspension crystallization : Composition and sensory characterization of citrus juices concentrated by method of freeze concentration or evaporative concentration

抄録

これまでに開発してきた懸濁結晶法による凍結濃縮装置で得られた濃縮果汁と、実証的に調製された加熱濃縮果汁との比較を行うことにした。ウンシュウミカン、ブンタン、ユズの各果汁を入手し、加熱濃縮又は凍結濃縮をそれぞれ行った。原液果汁、濃縮過程の果汁、最終的に得られた濃縮果汁を採取し、主要な果汁成分である遊離糖、有機酸、総アスコルビン酸を分析することにより、濃縮過程の成分組成変化を調べた。これら主要成分の分析に加えて、味認識装置を用いて濃縮還元果汁の呈する味の特性も評価した。その結果、加熱濃縮は搾汁後の酵素失活処理の有無が成分組成の安定的な濃縮に影響するのに対し、凍結濃縮は影響しないことが分かった。また加熱濃縮は濃縮還元果汁の味が原液とは異なるのに対し、凍結濃縮はほぼ同じ味のバランスになることも明らかになった。縣濁結晶法の凍結濃縮装置は小規模の搾汁工場に適した装置であると考えた。

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