精神障害者の精神症状と社会生活技能の遂行状況が就労定着に与える影響に関する研究

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タイトル別名
  • A study on the impact of psychiatric symptoms and level of social skills in employees with mental disabilities on their employment retention
  • セイシン ショウガイシャ ノ セイシン ショウジョウ ト シャカイ セイカツ ギノウ ノ スイコウジョウキョウ ガ シュウロウ テイチャク ニ アタエル エイキョウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

目的:本研究は,一般就労して 1 年経過した精神障害者を就労定着群と離職群に分け,就労開始時の精神症状および社会生活技能の状態が就労定着に与える影響について明らかにすることを目的とした. 方法:精神症状および社会生活技能の指標として,簡易精神症状評価尺度(以下,BPRS)と精神障害者社会生活評価尺度(以下,LASMI)を用いた.分析は,就労移行支援事業所 A を利用した精神障害者を対象とし,就労定着群と離職群の群間差,BPRS と LASMI の相関を検討した. 結果:就労定着群は離職群と比べて,BPRS の 14 項目と合計の結果から精神症状が重度であると認められた(p=0.000~0.034). LASMI では,大項目すべてにおいて社会生活技能が高かった(p=0.000). LASMI と BPRS の相関では,負の相関を認めた(r=-0.610~-0.308,p=0.000~0.028). 結論:精神障害者の就労定着には,精神症状の重症度に関わらず,一般就労に至るまでに社会生活技能を高める支援が必要であることが示唆された.

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