狼信仰を用いた三峯山の経済活動 : 近世における庶民経済の発達による信仰形態の変化

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タイトル別名
  • オオカミ シンコウ オ モチイタ サンホウサン ノ ケイザイ カツドウ : キンセイ ニ オケル ショミン ケイザイ ノ ハッタツ ニ ヨル シンコウ ケイタイ ノ ヘンカ
  • Economic Activities at Mount Mitsumine and Wolf Veneration: Worship Changes Triggered by the Infiltration of Monetary Economy in the Early Modern Period

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抄録

近世は、商品作物の栽培や養蚕業の興隆などによって庶民経済が発達し、庶民たちは自らが求める娯楽や情報、はては現世利益まで貨幣と交換できるようになった。一方で寺社側も、運営資金を稼ぐために、庶民の関心をひく<現世利益>の信仰を喧伝するようになる。そのなかで頭角を現し、流行神にもなったのが三峯山である。三峯山は自山再興の資金獲得手段として、1720 年から狼信仰を導入した。そして時代の潮流に合わせて、多彩な霊験を謳った護符を「オオカミの分身」として貸し出す<御眷属拝借システム>を開発した。こうして莫大な資産を築いた三峯山は、地方寺院とは思えないほどの寺格上昇に成功した。

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