小児良性上顎洞病変に対する術式の工夫:疼痛を伴う上顎洞粘液嚢胞例

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  • A Reduction Surgery for the Pediatric Benign Pathology in the Maxillary Sinus: A Case of a Retention Cyst Causing Cheek Pain.
  • 小児上顎洞手術の工夫

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抄録

小児の鼻科手術は顔面骨の成長を考慮してostiomeatal complex(OMC)の機能改善を目的とした縮小手術が推奨されている。上顎洞粘液嚢胞のようなOMCの機能障害のない上顎洞病変に対しては、OMCに操作を及ぼさない更なる縮小手術が可能である。今回我々はEndoscopic modified medial maxillectomyに準じた鼻腔外側壁から鼻腔底に至る切開から鼻腔粘膜を挙上し、対孔アプローチを施行し嚢胞を摘出した。創部は粘膜切開部位だけであり中鼻道へのパッキングは不要かつ鼻腔内の痂皮の付着は認められず、患者が小児であるときには特に有効な術式と思われたため報告する。  症例は12歳女児、頬部痛をきたす上顎洞粘液嚢胞のために手術を施行した。本手法は粘膜切開部と対孔作成部位が離れているため明瞭な術野と広いワーキングスペースが確保可能であった。切開部以外の鼻腔構造には手術操作は及ばず、低侵襲かつ術後の鼻処置も軽減された。嚢胞摘出により速やかに頬部痛は消失し、再発の所見は認めていない。(著者抄録)

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