リアルタイムLinuxにおけるEthernet通信性能の評価

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説明

Linuxの通信のリアルタイム性を改善するために,ソフト割込みの遅延実行を担うカーネルスレッド(ksoftirqd)をリアルタイム優先度で実行することを提唱し,その効果を検証した.PREEMPT_RTパッチを適用したLinuxを搭載する組込みボードで,UDPのラウンドトリップタイム(RTT)と定周期送信ジッターを測定し,ksoftirqdの優先度を変えて測定結果を比較した.その結果,ksoftirqdのリアルタイム優先度化により,最大RTTは改善したが,平均RTTはTCP送信負荷環境下で悪化した.加えて,TCP送信および受信負荷環境化で,送信ジッターが悪化した.以上より,ksoftirqdのリアルタイム優先度化は,通信のリアルタイム性を部分的に改善するものの,課題も残ると言える.

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