書誌事項
- タイトル別名
-
- A Restudy of Hikaru Genji’s “Kiyora” in the Tale of Genj i: Focusing on Adjacent Words
- 『 ゲンジ モノガタリ 』 コウゲン シ ノ 「 キヨラ 」 サイコウ : キンセツゴ ニ チャクモク シテ
この論文をさがす
説明
『源氏物語』における「きよら」という語の初出は、「世になくきよらなる玉の男御子」として登場する光源氏誕生の場面である。「きよら」という語は、「きよげ」と対比して、「きよら」を一流の美、「きよげ」を二流の美として、両語を身分や血筋で区別するのが主流である。光源氏以外に、冷泉帝や夕霧、朱雀帝も「きよら」の人とされている。「きよら」という語に伴う語句を比較すると、光源氏と他の人物で相違が認められる。これらの近接語に着目することで、改めて光源氏を形容する「きよら」の考察を試みる。 光源氏に対する「きよら」という語は、他の人物への「きよら」とは異なる力を秘めている。語り手視点の場合は、超人性を与え、物語を展開していく原動力となる。作中人物視点の場合は、その人物に美しいという気持ちだけでなく、それとは異質の感情を呼び起こす働きがある。その他の人物に対する「きよら」は、光源氏を喚起するもの、または、他の人物と比較した相対的なものである。 「きよら」という語は、単なる美的語彙にとどまらず、光源氏を軸とする絶対的な「きよら」と相対的な「きよら」があることを明らかにした。
収録刊行物
-
- 同志社女子大学大学院文学研究科紀要
-
同志社女子大学大学院文学研究科紀要 22 97-112, 2022-03-31
京都
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050012545626129792
-
- NII書誌ID
- AA11551704
-
- ISSN
- 18849296
-
- NDL書誌ID
- 032156644
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- IRDB
- NDLサーチ