The Relationship between Natural Disasters and Its Relief: Policy on Disaster Environment in the Ming Dynasty

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  • 災傷と賑恤の間―明代における災害環境と政策対応―

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「十四世紀の危機」をきっかけに、ポストモンゴルの東の雄として登場した明朝は、小氷河期を生き抜かざるを得ない運命にあった王朝でもあった。このことは絶えず襲う天災と向き合わざるを得ないことを意味していた。ティモシー・ブルックは元代から明代にかけて九次に亘って災害の波が襲ったとする。小氷河期といっても、常に寒かったわけではなく、平均気温にかなりの上がり下がりがあったのであり、平均気温の下降した極小期に災害が集中して来たのではないかと考えられ、九次の災害の波がどの程度、極小期に重なるか検証しなければならない。さて、明代においては九次のうち、六次の災害の波が設定されているが、果たしてその波が明瞭に描けるかどうかは慎重に検証する必要がある。また、災害による諸々の被害は当時、災傷と称されたが、災傷には救済である賑恤が不可缺であり、朱元璋はかなり熱心に賑恤に取り組んだことが諸規定から知られる。この朱元璋による賑恤は災傷への対策としてどのように明朝中期に受け継がれたか考察する準備として、いくつかの档案等の事例を検討した。

Journal

  • 人文研紀要

    人文研紀要 103 35-76, 2022-09-30

    中央大学人文科学研究所

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