「きく」ことをめぐって-ルート・クリューガーの自伝『生きつづける』

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抄録

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『生きつづける ある青春』は、ルート・クリューガーの自伝として一九九二年にドイツ語で発表された。クリューガーは一九三一年にウィーンで生まれ、第二次世界大戦後にアメリカに移住し、アメリカでドイツ文学者となったユダヤ系女性である。「ドイツの本」と作者によって名づけられたこの作品は、著者が六十歳を迎える頃に書き始められたものであり、十歳で母親と共に強制収容所に移送された少女時代とその後を、ドイツの友人に向けて語りかけている。とはいえ、その語りはとても挑発的で、ときに読む者の気持ちを逆なでするような方法もとられているのだが。日本では鈴木仁子氏の翻訳で出版された(『生きつづける ホロコーストの記憶を問う』みすず書房、一九九七年)。

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