学内SNS“Ochat”を通じた大学生のメンタルヘルスへの介入:ランダム化クロスオーバー比較試験による検討

HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Mental Health Intervention Using Social Media "Ochat" Limited for Campus Members: A Randomized Crossover Trial

この論文をさがす

抄録

新型コロナウイルス感染拡大により,大学生のメンタルヘルスは悪化し,対面での心理支援が難しくなる状況が生まれた。オンラインでの学生支援の試みにはさまざまなものがあるが,学内SNS を利用した心理支援の研究は少ない。本研究ではお茶の水女子大学の学内Slack “Ochat” に達成したことを報告し合うチャンネルを作成し,参加してもらうことによるメンタルヘルス改善効果を検討した。研究デザインはランダム化クロスオーバー比較試験とした。Ochat 内で研究参加の募集を行い,26 名の学部生・大学院生が参加した。2 群へランダム割付を行い,前半群はただちに3 週間の介入を実施し,後半群は待機期間とした。その後,前半群は待機期間に入り,後半群は3 週間の介入を実施した。さらにその後4 週間のフォローアップ期間を設けた。その結果,待機期間と比較して,介入期間では抑うつ状態と孤独感が改善していた。しかし研究参加から10 週間後となるフォローアップ時点では,その効果は持続していなかった。知らない人が多く参加しているが,一方で参加者はお茶の水女子大学という同じコミュニティに所属していることがわかっているという適度な距離感で交流することが可能な学内SNS の意義と,メンタルヘルス改善効果が示唆された。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ