長野県中西部烏川支流斧研沢に分布する後期更新世~完新世の堆積物

書誌事項

タイトル別名
  • Upper pliocene : Holocene sediments in the Yukitogi-sawa Valley as the tributary of the Karasu-gawa River, midwestern Nagano Prefecture
  • ナガノケン チュウセイブ カラスガワ シリュウ オノケン サワ ニ ブンプ スル コウキ コウシン セイ~カンシン セイ ノ タイセキブツ

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説明

烏川支流の斧研沢に分布する後期更新世~完新世の堆積物について,野外における記載,テフラ層の対比,放射性炭素年代測定を行い,段丘の形成年代を検討した。斧研沢には,斧研沢段丘礫層A,斧研沢段丘礫層B,崩積土,泥炭層,未区分礫層が分布する。斧研沢段丘礫層Bは,その上位のテフラ層,泥層,砂礫層と漸移関係で接する。泥炭層中層部に産する植物化石の放射性炭素年代は,240±20 yr BPを示し,崩積土の年代(790±30 yr BP,1060±20 yr BP)よりも明らかに新しい。斧研沢段丘礫層Bを覆う泥層と砂礫層から,3層の指標テフラが認められた。斑晶鉱物,火山ガラスの形態,火山ガラス,斜方輝石,角閃石の屈折率を基に,これらを下位より,立山Dテフラ(Tt-D)の二次堆積物,鬼界葛原テフラ(K-Tz)起源のクリプトテフラ,風成の御岳潟町テフラ(On-Kt)と解釈された。斧研沢段丘礫層Bは,Tt-Dより後のテフラをのせることから,最終氷期より前に堆積を終了したと推定され,赤木山礫層に対比できると考えられた。また,この段丘礫層がその上位のテフラ層,砂礫層,泥層と漸移境界をもって接することから,赤木山礫層の堆積後にも,この地域では堆積間隙を挟まずに堆積が続いていたことを示唆する。

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