カムカム果汁の赤色退色と変色要因の探索

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タイトル別名
  • Factors determining red fading and discoloration in camu-camu fruit juice
  • カムカム カジュウ ノ アカイロ タイショク ト ヘンショク ヨウイン ノ タンサク

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抄録

カムカム果汁の色調安定性とその変色要因について検討した。果汁を加熱処理すると,処理直後では赤色が濃くなったが,24時間後に赤色は退色した。非加熱試料においても保存後の赤色は低下しており,赤色色素の退色には,加熱の他に果汁に含まれるアスコルビン酸の関与が示唆された。加熱処理において,加熱温度の上昇および加熱時間の延長に伴い黄色化が進行し,褐変度も増加した。50℃処理により調製した変色果汁では,果汁の色調が桃色から黄色化,褐変化へと変化するに従い,重合ポリフェノールの割合が増加していた。果汁にはPPO活性が検出されなかったことから,果汁の変色は非酵素的褐変であると考えられた。果汁由来のポリフェノールと試薬のアスコルビン酸を用いたモデル果汁では,アスコルビン酸を含む試料の黄色度(b *値)がポリフェノールのみを含む試料よりも顕著に増加し,窒素置換した試料で黄色化は抑制された。これらのことから,果汁における赤色の退色および褐変の主な要因はアスコルビン酸の酸化物であると推察された。

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