宮城県沿岸におけるカナガシラの漁獲量の増加と生活史特性

書誌事項

タイトル別名
  • Increasing fisheries catch and life history traits of searobin Lepidotrigla microptera off Miyagi Prefecture
  • ミヤギケン エンガン ニ オケル カナガシラ ノ ギョカクリョウ ノ ゾウカ ト セイカツシ トクセイ

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抄録

宮城県において定置網や底びき網によって漁獲されるカナガシラは,2006年以降徐々に増加し2016年,2017年は300トンを超えるようになった。漁獲物の測定結果および耳石を用いた年齢査定を行い,Gompertzの成長式をもとめたところ,雌雄間で有意差が認められた。雌雄の極限全長は,252mm,279mmであり,雌の方が大型に成長することがわかった。成熟全長,成熟年齢は,雄が230mm,3+歳,雌が250mm,3+歳と推定された。生殖腺重量指数は,6月をピークに,7-8月にかけて大きく減少した。産卵期は6-8月であり,宮城県沿岸において産卵しているものと推察された。今回の年級組成には卓越発生群が存在せず,また4+歳以上の個体が過半を占めており,2015年級およびそれ以前の年級群がすでに分布していたことが示された。海洋の再生産環境が徐々に好転し,宮城県沿岸での産卵を通じて加入が増加し,資源が増大したものと推察される。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 69 (3), 177-184, 2021-10

    津 : 日本水産増殖学会

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