保育における「戦いごっこ」の位置づけと展望

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タイトル別名
  • Positioning and Outlook of Tatakai-Gokko (Pretend Play of Fight) in Japanese Early Childhood Education and Care
  • ホイク ニ オケル 「 タタカイゴッコ 」 ノ イチズケ ト テンボウ

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抄録

本研究は、保育の「遊び」の中でも特に保育者にとって様々な考えを伴い判断の難しい「戦いごっこ」に着目し、日本国内外の研究からその位置づけと展望を示すことを目的とした。第一に、遊び理論の分類から、戦いごっこは明確な規則のない遊びとされる一方で子ども同士での前提の共有があり、また身体活動とごっこ遊びの両方に含まれていることが示された。次に英語圏での“rough and tumble play” の研究においては、子どもにとっての発達的意義が指摘され、保育では遊びの実態や子どものジェンダーによる相違、リスキーな遊びとしての保育者の認識などが主に議論されていた。さらに日本の保育実践においては、非日常的なごっこ遊びとしての援助の難しさや安全性への懸念などから、必ずしも好ましい遊びとされない一方で、子ども同士でのやりとりの豊かさも見出されていることが明らかになった。以上より、“rough and tumble play” の知見と日本における変遷との両方を踏まえるとともに、身体的活動とごっこ遊びの両面から戦いごっこを捉え、保育理念などとの関連も含めた保育者の捉え方について実証的に検討する必要性が示唆された。

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