歯科用コーンビームCT画像と研究用模型との3D合成画像の評価
抄録
現在,歯科治療において歯科用コーンビームCT(以下CBCT)は安心安全な治療を行うために多用されている.CBCTは硬組織の状態を精密に診断できるが,今後はその情報に加えて軟組織や口腔内状態などの診察・検査資料と複合的に評価することが臨床上有用と考えられる.そこで本研究ではCBCT画像を3D化ソフトウェアで研究用模型のデータと合成し,その精度を評価した.研究方法は,対象を顎模型の取り外しが可能な口内法デンタルX線撮影実習用ファントムとし,上下歯列の研究用模型を作成した.このファントムはX線撮影時に歯や顎骨が人体と同等の濃度で描出されるよう作られている.ファントムとその研究用模型をそれぞれvoxel size 0.40mm×0.40mm×0.40mm,0.25mm×0.25mm×0.25mmの条件にてCBCTの撮像を行い,3Dモデル合成ソフトにて重ね合わせを行った.重ね合わせた画像から歯の咬頭頂部,近心部,遠心部,頰側面,舌側面で誤差の最大値,最小値を計測し,voxel size 0.40mm撮像時と0.25mm撮像時との関連をT検定にて検討した.結果,voxel size 0.25mm撮像の方が0.40mmの時より歯の咬頭頂部,近心部,頰側面で有意に誤差が小さく精度の高い合成画像が得られた.広範囲を撮像する上での被ばく線量のことを考慮すると,研究用模型のデータと合成することで低被ばくを目指した撮像条件でも歯の形態の見えにくい部位を補助できる可能性がある.結論として3Dモデルを合成する際は使用するソフトや目的によって適切な撮像条件を選択する必要があると考えられる.
収録刊行物
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- 昭和学士会雑誌
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昭和学士会雑誌 82 (6), 492-501, 2023-01
昭和大学学士会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050014249177056128
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- ISSN
- 2188529X
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1670/00004205/
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB