木村病の一例

この論文をさがす

説明

type:Article

木村病(軟部好酸球肉芽腫)の一例を報告した。木村病は、1948年に木村らが系統的に報告した全身の軟部組織に発生する好酸球浸潤を伴う炎症性肉芽腫である。本疾患は比較的に稀で発生部位として頭頸部領域に好発することが知られている。  末梢血好酸球、血清IgEの著明増加などの臨床所見、穿刺吸引細胞診でのリンパ球、好酸球の浸潤などから臨床診断も可能とされるが、確定診断には生検が必要と考える。本例では耳下腺腫瘍に準じた皮膚切開を用いて生検を行っている。診断後はステロイドの内服によって治療し、現在はステロイドを離脱して経過観察している。他にステロイド局所投与、外科的切除、放射線治療、免疫抑制薬、オマリズマブによる治療が報告されているが、標準化された治療は確立していない。ステロイド減量に伴っての再発が多いことが知られ、本例でも再増大時にこれらの治療を状況に応じて選択することになる。

identifier:洛和会病院医学雑誌(1341-1845)34巻 Page51-54(2023.03)

identifier:1341-1845

identifier:http://kintore.hosplib.info/dspace/handle/11665/2948

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ