グループ経営が企業の資本構成に与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • グループ ケイエイ ガ キギョウ ノ シホン コウセイ ニ アタエル エイキョウ
  • Gurūpu keiei ga kigyō no shihon kōsei ni ataeru eikyō
  • The effect of group management on the firm's capital structure

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抄録

type:text

本稿では,グループ経営が資本構成の意思決定にどのように影響を与えるのかを検討した。本稿の目的は次の2つである。1つ目は,連結対象企業を有する企業について資本構成の決定要因を考える際に,連結データを用いる場合と単体データを用いる場合で違いが生じるのか検討すること。2つ目は連結対象企業を有する企業と有さない企業で意思決定に違いが生じるかを検討することである。分析に際しては,連結企業を有する企業群の連結データに基づくサンプルと単体データに基づくサンプル,連結対象企業を有さない企業群の単体データに基づくサンプルの3つのサンプルを使用して資本構成の決定要因を比較した。分析の結果,連結対象企業を有する企業群では,連結データと単体データを用いた場合で大きな違いは観察されず,グループ全体と個別企業のどちらで考えるのかは結果にそれほど影響しないことが示唆された。一方で,連結対象企業を持つ企業群と持たない企業群では有形資産比率と税率の影響が異なることが観察された。特に,連結対象を持たない企業群では節税効果が重要な決定要因となっているのに対し,連結対象を有する企業群では節税効果の重要性が弱まることが示唆された。

論文

収録刊行物

  • 三田商学研究

    三田商学研究 65 (6), 63-86, 2023-02

    慶應義塾大学出版会

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