武田泰淳「流沙」の典拠と方法

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タイトル別名
  • Sources and methods of Taijun Takeda’s Shifting Sands
  • タケダ タイジュン リュウサ ノ テンキョ ト ホウホウ

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抄録

1907年のイギリスのスタインをはじめ、列強各国の探検隊が次々と敦煌を訪れた。敦煌文物の発見・流出に伴い、「敦煌学」「西域熱」が誕生し、学界の関心を集めてきた。仏教出身の武田泰淳も長い間にわたってスタインの著作(Ruins of Desert Cathay、Serindiaなど)を含む敦煌資料を耽読し、その分野に進出してみた。本論は武田と敦煌との関係を切口として、日本近代文学館に所蔵されている「武田泰淳コレクション」の中の未発表資料を参考にして、武田文学における唯一の敦煌題材小説「流沙」の典拠資料を整理し武田の英語力を確認した上で、典拠と小説との比較を行い、「節ごと」、「人物ごと」、「全体」という三つの方面から武田泰淳の言う「換骨奪胎」の方法(典拠の利用法)を分析した。

収録刊行物

  • 東アジア研究

    東アジア研究 21 153-168, 2023-03-01

    山口大学大学院東アジア研究科

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