先端巨大症に中毒性多結節性甲状腺腫(TMNG)を合併した1例

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タイトル別名
  • A case of acromegaly complicated with toxic multinodular goiter

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説明

60歳女性。変形性股関節症の手術前精査で機能性甲状腺結節が疑われ,先端巨大症様顔貌と成長ホルモン(GH),インスリン様成長因子1(IGF-1)の高値を指摘され当科紹介となった。75gブドウ糖負荷試験でGH抑制に乏しく,下垂体腫瘍を認めたことから先端巨大症と診断した。甲状腺結節は腺腫様甲状腺腫であり,甲状腺中毒症と99mTcシンチグラフィで不均等集積を認めたことから中毒性多結節性甲状腺腫(TMNG)と判断し,先端巨大症とTMNGの合併例と診断した。チアマゾールで甲状腺機能をコントロールし,下垂体腫瘍縮小のためランレオチド投与後に,経蝶形骨洞的下垂体腫瘍摘出術を施行した。本邦では先端巨大症とTMNGの合併は稀であり,先端巨大症におけるGH,IGF-1の過剰が甲状腺腫と甲状腺機能亢進症に関連する可能性が示唆されており,その病態の理解は治療方針の決定に重要と考えられたため報告する。

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