『千葉館世継雑談』 : 翻刻と解題(上)

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タイトル別名
  • チバカン ヨツギ ザツダン : ホンコク ト カイダイ(ウエ)
  • Chibayakata-Yotsugi-Zodan : A Review of Subject and Transliteration (Part Ⅰ)

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抄録

Departmental Bulletin Paper

本稿は、文化九年(一八一二)刊の馬琴合巻『千葉館世継雑談』を翻刻・紹介するものである。  本作は、千葉家の御家騒動に、狐の怪異や鼠の活躍をからめた怪異譚である。千葉家に関しては、『新累解脱物語』(同五年[一八〇八]刊)や『南総里見八犬伝』(文化十一年~天保十三年[一八一四~四二]刊)などの読本でしばしばとりあげられている。とくに、その当主自胤に関して、『八犬伝』では「暗愚の武将」として描かれるものの、本作ではその性質は兄実胤に賦与され、それとは対照的に、自胤は善良な君主として描かれている。歴史上の人物に対する善悪評の変化は、馬琴の小説作法を考えるうえで、注目すべき点といえる。本稿で取り上げる所以である。

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