浮世絵に描かれた骸骨

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タイトル別名
  • ウキヨエ ニ エガカレタ ガイコツ
  • Skeletons in Ukiyo-e

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説明

「相馬の古内裏」は、歌川国芳〔寛政九年(一七九八)~文久元年(一八六一)〕が描いた作品である。本作の制作には、「解剖図」等の挿図や見世物興行の盛行といった背景が少なからず影響したのではないかとの指摘があり、また描かれている骸骨について、解剖学的な要素があるとも指摘されている。  本稿では、国芳作品を取り上げた上、国芳の弟子である月岡芳年〔天保十年(一八三九)~明治二十五年(一八九二)〕の「新形三十六怪撰 地獄太夫悟道の図」に見られる骸骨図を検証し、さらに葛飾北斎の「百物語こはだ小平二」に描かれる妖怪の頭部を題材にして、それらに見られる解剖学的要素(医学的整合性)の検証を、主として男女の性差に注目して行った。現代医学の厳密性はないにせよ、三つの作品には解剖学的要素が含まれていることを見出した。

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