イジングモデルの係数削減による量子イジングマシンの出力改善の評価

抄録

量子イジングマシンは,イジングモデルを入力として取り,その基底状態を探索することで組合せ最適化問題を解く.しかし,入力したイジングモデルの係数と量子イジングマシンが解法する係数に誤差が発生する.本誤差の存在により,量子イジングマシンは入力したイジングモデルの基底状態を必ずしも出力しない.本稿では,イジングモデルの係数が量子イジングマシンの基底状態を得る確率に与える影響を示す.入力するイジングモデルの係数の絶対値における最大値と最小値の比率が大きくなるにつれ,量子イジングマシンが基底状態を得る確率が減少することを実験で示した.加えて,同実験結果をもとに,量子イジングマシンにイジングモデルを入力した場合に発生する誤差の大きさを推定する方法を検討した.さらに,入力するイジングモデルの係数の絶対値における最大値と最小値の比率を削減することで,量子イジングマシンが基底状態を得る確率が上昇することを実験で示した.上記実験結果は,量子イジングマシンが基底状態を得る確率の上昇のためのアプローチとして,入力するイジングモデルの係数の削減が有効である可能性を示している.

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